雑記 - otherwise

最近はDQ10しかやっていないダメ技術者がちまちまと綴る雑記帳

ようやく MSC2008 東京のレポートを書いてみる

既に二週間以上経ってしまいましたが、これを書いておかないと参加した意味の 3 割位を失ってしまいそうなので、一応書きます。
ただ、 NDA がどこまで適用されるものなのか良く判らないので、セッションの内容はあまり書かずにそれぞれの簡単な感想を書くに留めたいと思います。
(長文になりそうなので久々に「続きを読む」機能を使います)

キーノート「 HEROES happen {here} 〜ヒーローは{ここ}にいる〜」

最近の Microsoft の方向性が色濃く出た内容だった、と云うのが素直な感想です。まぁ、事例紹介は正直要らなかったかな、とか思ったりもしますが。
それにしても、前半は英語セッションで全然理解出来ないので同時通訳に頼っていたのですが、ところどころで理解不能な訳が混ざるので、結局言語の方も聴いていないといけなくて、かなり疲れました。
(この辺はこう云うのに慣れていなかったのも大きな要因ですが)
でも、個人的には非常に活力を与えられる 2 時間だったと思います。

Visual Studio 2008 概要 〜すぐれたユーザエクスペリエンスの実現〜 (Developer Session) (NA-30)

Silverlight とか WPF とか ASP.NET Features とか新しい UA 絡みの概略紹介、ですね。
正直、 UX (ユーザエクスペリエンス)って何ぞやな状態でセッションに臨んだんですが、このセッションを聴いて、 Microsoft があえて UX と云う言葉を持ち出して来た理由はよく判りました。
まぁ、時間的な問題で、それぞれの機能の細かい話は全然聞けなかったんですけど。(その辺は、以降のセッションで補完、と)
ひとまず、最初のセッションとしては最適だったのではないかと思います。

進化した ASP.NET で実現するリッチな Web アプリケーション開発 (Developer Session) (NA-31)

個人的には ASP.NET で何が出来る様になっているのかがよく判ってとても有意義なセッションだったのですが、確かに ASP.NET 2.0 の話がほとんどで、今回のカンファレンスの趣旨からは少しはずれていたかもしれません。(と、どなたかの blog に書かれていたので同調してみました)
でも、 2.0 以降の ASP.NET の事がさっぱり理解出来ていなかった私には非常に助かりました。
それにしても、今回のカンファレンスでは至る所で「 UX 」と云う表現が使用されていました(私がその手のセッションを多く聞いたせいかもしれませんけど)が、正直、 ASP.NET 2.0 レベルではまだ Rich UI 止まりな感じがしました。
……まぁ、セッションタイトルも「リッチな Web アプリケーション開発」だからいいのか。 :p

SQL Server 2008 と Windows Server 2008 によるデータベース高可用性ソリューションの実現 (IT Professional Session) (ST-12)

少々自分の方向性とは一寸違う内容でしたが、この分野もそれなりに興味があったので聴いてきました。
……正直、淡々として余り面白みのないセッションでしたが。(実際、前二つのセッションは立ち見まで出る位の盛況だったけど、このセッションは空席が 2 割位ありました。まぁ、 IT Pro セッションだから仕方ないんですが)
一応、 SQL Server 2008 + Windows Server 2008 でどんな事が出来る様になるのかは少し理解出来た気がするので、それだけでも聴いた価値はあるかな、と思います。

SQL Server 2008 と Visual Studio 2008 による次世代 + 地図アプリケーションの開発 (Developer Session) (NA-33)

SQL Server 2008 はまだほとんど触った事がない(まぁまだβだし)んですが、こう云う方向での進化もしていたんですね。
このセッションを聴く前(開始前にハンズオフを一通り読んだ時点)ははっきり言って興味なかったんですが、実際にセッションを聴いてとても興味が湧きました。
この機能、なんかに使えないかな。
……と云う感じで、セッション自体はすごく良かったんですが、時間を大幅にオーバーしてくれたので、次のセッションに参加し損ねました。。。

1 日目総括

本当は、最後の時間に Windows Server 2008 の概要についてのセッションを受講予定だったのですが、一つ前のセッションが長引いた関係でフロア移動が間に合わず、結局断念しました。
まぁ、 Windows Server 2008 については他のセッション等でも色々聞けたのでとりあえず良しとしましたけど。(ハンズオフも貰えなかったのは一寸残念)
とりあえず MSC への参加が初めてだったので、キーノートの最初のうちはペースについていくのに苦労しましたが、午後のセッションは結構楽しませて頂きました。

Visual Studio 2008 と Expression Blend 2 でデザインする WPF アプリケーション (Developer Session) (BP-44)

朝一(と言っても 10 時からでしたが)のセッションだからか、空席が少しありました。……内容的には立ち見が出てもおかしくないものだと思うのですけど。
以前、触ってみようとか言っていた気もする Expression ですが、結局インストールすらせずにそのままになっていました。
で、今回その機能とか使い方をこのセッションで(ほぼ)初めて知ったのですが、……これ、すごい面白いですね。
正直、 Web の UI をどうこうする事自体はあまり好きではない(苦手なだけとも言う)のですが、このセッションを聴いて WPF やってみたくなりました。
……まぁ、あくまでも趣味の一環として、ですけど。(さすがに WPF を仕事で、と云うのは私の立場では厳しい)

Windows Vista SP1 と Windows Server 2008 で実現する強固な IT 基盤 (IT Professional Session) (ST-15)

今回の MSC 参加に於いて、個人的に「 IT Pro セッションを一日一個以上聴く」、「 Windows Server 2008 に関するセッションを聴く」と云う二つの目標があったので、このセッションを選択してみました。
内容としてはとても興味深かったのですが、とにかく聴いてみて残念だったのが、「 Windows Vista と Windows Server 2008 の組み合わせでしか実現できない事が多い」と云う事です。
セッションアンケートにも書いてきたのですが、一般的な顧客を相手にする場合、最近はほとんどが「現行の資産を有効に活用したい」と云う要望を持っているので、資産に左右される機能は提案しにくいです。
確かに、資産は数年で更改時期(リース期限とか保守期限とか)が来るので、更改の度に最新 OS を導入するチャンスはあるのですが、サーバ資産はともかく(更改のタイミングで一括して差し替えられる)、クライアント資産は数が多い(顧客の規模にも因りますが)上に、段階を分けて更改される(大抵、毎年一部ずつ差し替える)ので、仮にその時点で最新 OS を入れても、どうしても旧資産が混在する為、最新 OS に依存する機能は導入出来ない事が多いです。
そして、旧資産が駆逐される頃には既に更に新しい OS が発表されている、と。(今の現場がまさにその柵に翻弄されているところです)
もちろん、新しい機能が提供されて便利になる事は喜ばしい事なのですが、今の世間の実情に合ったソリューション展開もして頂けると嬉しいなぁ、と思ったのでした。

強化されたセキュアでハイパフォーマンスな PHP の実行環境とその実装方法 (IT Professional and Developer Session) (NA-36)

元々、この時間帯( 2 日目の午後一)はセッションを聴かずに展示コーナー辺りでゆっくりしようかと思っていたのですが、予定が狂って 1 日目のラストで展示コーナーをそれなりに観てしまったので、急遽、追加しました。
正直、そんなに興味がなかった( PHP は一通り触ったけど、最近は全然見ていない)のですが、意外と面白かったです。
ただ、 FastCGI の考え方については、はっきり言って「そんなの 10 年前でも思いついていた話なんですが」と云う感じでした。まぁ、それが HTTPD レベルで実装された、と云う意味では、 LL 愛好家の一人として喜ぶべきところなのでしょうが。
ちなみに、今回、セッション中に聴けなくて結局判らずじまいだったのが、セッション管理周りの話。
FastCGI によってプロセスが起動したままになると云う事は、それぞれのプログラム内で処理完了の度にメモリ開放なりの後始末をしてやらないと、後続のプログラムが悲しい思いをする気がするのですが、その辺りはどう云う仕組みになっているのでしょうか。
まさか、プログラム任せじゃないよね? せめて PHP 側で対応されているんですよね?
…… ZEND に問い合わせてみないといけないのかな。(教えて、偉い人<ぉ)

“次世代 Web ”を攻略せよ! Silverlight & ASP.NET Futures (Developer Session) (NA-37)

予想通り、すごい人気のセッションでした。
事前に WPF のセッションを聴いていたので、正直そんなに新鮮味はなかったですが、 Silverlight の持つ可能性を垣間見る事が出来てこちらもとても興味深かったです。
ただ、 ASP.NET の方は単純な AJAX の紹介程度になってしまって一寸物足りなかったです。
多分、このセッションは切り離して二つにすべきではなかったのかな、と。

Visual Studio 2008 を活用したチーム開発のベストプラクティス (Developer Session) (NA-38)

セッションを終えて自宅に帰ってきて過去の資料を見直すまですっかり忘れていたのですが、去年の INETA 勉強会で同じ様なセッションを聴いていたんですね。しかも同じ長沢さんの。
道理で何となく聴いた事ある話だなぁと思った。(汗
……そうすると、この時間は Hyper-V のセッションを聴いた方が良かったのかもしれないです。(実はどちらを聴くか事前に悩んでいた)
でも、この分野(チーム開発)は開発をする上で非常に大事なところなので、これはこれで良かったのだと思います。
ちなみに、個人で開発をする場合、 TFS なんてそうそう導入は出来ません。(金銭的な問題で)
しかし、プロジェクト管理は個人開発でも大切、だと思います。(最近、切にそう思う様になってきました)
そう云う点では、(どんなツールを使うかは別にして)長沢さんのセッションはとても勉強になります。

簡略化されたサーバ管理と強化されたスクリプト "Windows PowerShell" で実現する新しい管理手法 (IT Professional Session) (ST-19)

最終セッションと云う事で、少々疲れが出ていたところはありますが、すごく興味がある内容だったので、最後までだれる事なく聴けました。
ラストが一寸駆け足になってしまったのが残念でしたが。
正直、サーバ管理は苦手なので、大抵は他人に任せてしまっていたのですが、この位シンプルになると私でもなんとかなりそうな感じがしますね。頑張って覚えようか。
後、 Windows PowerShell って、「コマンドプロンプトに変わる Unix ライクなシェルプロンプト」程度に思っていたのですが、かなり強力な管理ツールになっているんですね。
これもちゃんと使いこなせる様になった方がいいですね。

2 日目総括

セッションへの臨み方(メモの取り方とか)については 1 日目である程度慣れていたので、 2 日目は結構落ち着いて楽しめました。
まぁ、午後のほとんどを同じフロアで受講出来たのも大きかったと思いますが。
とりあえず、 2 日目はベータ版によるセッションが多かったので、今後の情報も注目しておく必要がありそうですね。

(余談)展示コーナー

1 日目のラストで余った時間を使って少し覘いただけなので、個々のベンダーはほとんど観ていません。(観てもよく判らないし)
一応、 Microsoft ブースの 3 箇所だけ軽く話を聞いてきました。

Silverlight

( 1 日目の時点で)いまいち仕組みがよく判らなくて説明員の方にお話を聞きました。非常に判りやすい説明で助かりました。>説明員の方
結局のところ、 "Silverlight plug-in" = ".NET Framework ミニマムセットの Web ブラウザ用 plug-in" と云う事なんですね。
だから .NET Framework がインストールされていない端末でも実行可能である、と。
これは flash の様に一般化してくれるといいなぁ、と思います。(素直に)

Education (MCP)

VS2008 関連の資料がないかなと立ち寄ったら、説明員の方に声をかけられたので直接聞いてみました。
一応、その場では 6 月位には提供されるだろうと云う話でしたが、米 Microsoft のサイトでは既に発表されていたみたいですね。(Microsoft Visual Studio 2008 - Learning portal (en) , おぎわらさんの紹介記事
(※ちなみに日本語版はまだ未発表)
しかし、説明員の方は MCTS のみになる( MCPD はバージョンに依存しない)と言っていたけど、ちゃんと MCPD も用意されている。……なんだかなぁ。

MSDN Subscription

近くを通りかかったら説明員の方に呼び止められたのでそのまま雑談的に話をしてきました。
個人で MSDN Subscription を契約していると話したら、「いいお客さんですね」と言われた。……まぁ、そりゃそうだわな。
基本的に「 MSDN Subscription 契約してくださいね」と云うブース構成だったので、私はあまり意味なかったのですが、それでも幾つか参考になる話を聞く事が出来ました。
ちなみに、今の契約は今年の 11 月で切れるんですが、更新するかは今のところかなり微妙。。。(これも金銭的な問題で)

まとめ

2 日間通して、もう少し Windows Server 2008 系のセッションを聴いておけばよかったかなぁ、と云う感じがしました。
全体的に Developer 寄りのセッションばかりで、せっかく仕事を休ませてもらって参加したのに、なんだか今の現場に申し訳ない感が。。。
ま、個人的には満足なのでいいんですが。 :p
ところで、今回のカンファレンスのプレゼントなんですが、全部 MSDN Subscription で入手可能な私は勝ち組ですか、負け組ですか?